【万年筆のきほん】カートリッジインクの規格や互換性について解説！

こんにちは、ものずきです。
本ブログにお越しくださりありがとうございます。

ゲストさん

カートリッジっていろいろなメーカーから発売されているけど、どれが合うのかな？どれでも合うのかな？

ものずき

そのような方のために記事を書きました。少しでもお役に立てればうれしいです！

【カートリッジインク】

筒状の小さな容器にインクが入っているもの。万年筆の内部に挿し込むことでインクがペン先に伝わり筆記できるようになります。

万年筆のカートリッジは、さまざまなメーカーから発売されています。

そのサイズや形状が似たようなものもあれば、異なるものもあります。

そのため、「どのカートリッジが合うのだろう？」と悩むことも多いでしょう。

私自身も、すべてのカートリッジが共通であれば便利なのにと思います。

しかし、実際にはそうではありません。

残念ながら、すべてのカートリッジがどの万年筆にも合うわけではないのです。

間違ったカートリッジを選んでしまうと、正しく挿し込めなかったり、抜けてしまったり、インクが漏れたりといったトラブルにつながります。

そこで、最も重要になるのが、「規格」を知ることです。

この「規格」の部分さえ押さえておけば、カートリッジを選ぶ際にとても役立ちます。

本記事は、これから万年筆を使ってみようと思っている方や、使い始めたばかりの方に向けて、カートリッジインクの規格について解説します。

また、それぞれの特徴や互換性などにも少し触れていきます。

この記事を読めば、基本的なことが理解できようになりますよ。

ぜひ参考にしてくださいね。

＊メーカーやブランド名は敬称略で記載しています。

そもそも「規格」って？

「規格」という言葉は、製品や部品が決められた基準や仕様に従って作られていることを意味します。

カートリッジインクの「規格」について考えてみましょう。

これは、カートリッジの長さや太さだけでなく、特に大切なのは「挿し込み口の直径（内径/外径）・形状」です。

想像してみてください。スマホやデジタル機器を接続するためのUSBケーブルがあります。このケーブルの端子（コネクタ）が違うと、正しく挿入することができませんよね。

ものずき

なんとなくUSBケーブルを
買ってしまい、コネクタが
入らなかったことがあります･･･
お恥ずかしい。

それと同じように、カートリッジインクも規格が合わないと取り付けられないことがあります。

ここで重要なのが「独自規格」と「欧州共通規格」の2つです。

• 独自規格: 特定のメーカーだけが使っている規格で、そのメーカーの製品でしか使えません。
• 欧州共通規格: 多くのメーカーが使っている規格で、他のメーカーの万年筆でも使うことができます。

次は、この「独自規格」と「欧州共通規格」について説明しますね。

独自規格

「独自規格」は、その万年筆メーカー特有のサイズ・形状でカートリッジがつくられています。

自社で製造する万年筆に合わせた規格なので、他メーカーの万年筆にはほとんどの場合使用できません。

以下が独自規格のメーカーになります。

例えば、日本の三大万年筆メーカーである「セーラー」「パイロット」「プラチナ」は、すべて独自の規格を持っています。

そのため、

パイロットの万年筆「カクノ」「ライティブ」「コクーン」には、セーラーのカートリッジインクは使用できません。

また、プラチナの万年筆「プレピー」「プレジール」に、パイロットのカートリッジインクは使用できません。

さらに、セーラーの万年筆「ハイエースネオ」「プロフィットJr」に、ペリカンやモンブランといった他のメーカーのカートリッジも使用できません。

ですので、

セーラーの万年筆にはセーラーのカートリッジを！ パイロットの万年筆にはパイロットのカートリッジを！ プラチナの万年筆にはプラチナのカートリッジを！

このように、メーカー純正のカートリッジを使用することが大切です。

「アウロラ」「クロス」「シェーファー」「パーカー」「ラミー」も同様です。それぞれ独自の規格を持っています。

独自規格の万年筆を使う際には、そのメーカーの純正カートリッジを選ぶようにしましょう。

欧州共通規格

【呼び方について】

「ヨーロッパ共通規格」「ヨーロッパタイプ」「ヨーロッパ標準」「欧州統一規格」「国際標準」など、いろいろな呼び方があります。どれも同じ意味合いで使われています。

ここでは「欧州共通規格」と書きますね。

「欧州共通規格」は、ヨーロッパを中心に多くの万年筆メーカーが採用している規格です。

カートリッジの規格（サイズ・形状）は各メーカーでおおよそ近いものになります。

この規格を使用することで、異なるメーカーの万年筆でも同じカートリッジを使えるという利点があります。

＊以下は、私自身が現在所有している欧州共通規格のカートリッジをまとめたものです。

• ウォーターマン
• エルバン
• オート
• オンライン
• カヴェコ
• シュナイダー
• ダイアミン
• ファーバーカステル（伯爵コレクション）
• ペリカン
• ミドリ（MD万年筆用）
• 無印良品（アルミ丸軸万年筆用）
• モンブラン

「欧州共通規格」のカートリッジであれば、メーカーを超えて使用できます。

これにより、カートリッジの選択肢が広がり、インクの色や質を楽しむことができます。

共通規格のカートリッジはとても便利です。

しかし、残念ながらすべての万年筆に完璧に合うわけではありません。

ここが一番の悩みどころです。

ほんのわずかなサイズや形状の違いによって、カートリッジが万年筆にしっかりと挿入されず、抜けてしまうこともあります。

自分の万年筆に合うカートリッジを選ぶために、念のため情報を集めることも大切です。

例えば、インターネットで調べたり、万年筆を販売しているお店のスタッフに相談したりするとよいでしょう。

欧州共通規格の互換性については、すべてが一概に言えるわけではないことを理解しておいてください。

「合う」「合わない」など、個別のメーカーや万年筆でわかったことは本ブログ内でも発信していきますね。

９つのタイプ

ここまで「独自規格」と「欧州共通規格」に大きく２つのグループに分けて書いてきました。

独自規格

• 国内外の8メーカーが独自の規格。
• 他のメーカーとの互換性はほとんどの場合ない。
• 欧州共通規格のメーカーにも合わない。

欧州共通規格

• 多くのメーカーで採用されている。
• メーカーの枠を超えて、一定の互換性がある。
  （すべてに適合するわけではない）
• 独自規格のメーカーには合わない。

そこで、規格を「9つのタイプ」にまとめました。

9つのタイプ

1. 「セーラー」タイプ｜独自規格
2. 「パイロット」タイプ｜独自規格
3. 「プラチナ」タイプ｜独自規格
4. 「アウロラ」タイプ｜独自規格
5. 「クロス」タイプ｜独自規格
6. 「シェーファー」タイプ｜独自規格
7. 「パーカー」タイプ｜独自規格
8. 「ラミー」タイプ｜独自規格
   ・・・・・・・・・・
9. それ以外のメーカーは、おおよそ
   「ヨーロッパ」タイプ｜欧州共通規格

ものずき

【覚え方】
セー パイ プラ アウ
クロ シェー パー ラ
ソレイガイナラ
ヨーロッパ

ちょっとしたリズムで覚えるのもいいかもしれませんね！

あくまで、ざっくりした内容です。

昔に存在したメーカー・万年筆であったり、現在ある万年筆メーカーでも異なったり･･･があります。

次は、「独自規格」と「欧州共通規格」のカートリッジをもう少し詳しくご紹介していきます。

カートリッジの画像や形状の比較などを掲載していますのでぜひ参考にしてください。

独自規格のカートリッジ

「独自規格」は、その万年筆メーカー特有のサイズ・形状でカートリッジがつくられています。

自社で製造する万年筆に合わせた規格なので、他メーカーの万年筆にはほとんどの場合使用できません。

SAILOR セーラー

□サイズ｜49.5mm×6.5ｍｍ
□インクの容量｜およそ0.8mL（推定）

カートリッジを挿し込む方向を示す矢印が入っています。
セーラーさんの心遣いを感じます。

PILOT パイロット

□サイズ｜およそ58.5mm×7ｍｍ
□インクの容量｜およそ0.9mL（推定）

樹脂製のふたでカートリッジインクに封がしてあります。

PLATINUM プラチナ

□サイズ｜およそ58mm×7ｍｍ
□インクの容量｜1.2mL（公式）

挿し込み口にはステンレス製のボールが入っています。（マジックボール）
カートリッジを挿し込む前はフタとしてインクを保護する役割。（酸化・蒸発・ホコリの侵入を防ぐ）
挿し込んだ後はインクの流れを調整し、攪拌する（かくはん｜かき回す・混ぜる）役割も。

「最後の一滴までムダなく使えるように」

そんな思いが込められたボールです。

AURORA アウロラ

パッケージに「King Size」と表記されている通り、独自規格の中では一番長いカートリッジです。

□サイズ｜およそ76mm×7ｍｍ
□インクの容量｜およそ1.3mL（推定）

＊インクを送り出すためにカートリッジを強く指でつまむと、ひび割れが入りやすい傾向です。

CROSS クロス

□サイズ｜およそ43mm×7.5ｍｍ

写真のほかに「スリムタイプ（およそ50ｍｍ×7ｍｍ程度）」もあります。

やや、見た目が欧州共通規格のカートリッジ（ショートサイズ）に似た雰囲気です。

SHEAFFER シェーファー

細くなったり太くなったり、あるいは段差のある部分もなく筒状です。

□サイズ｜およそ52mm×7.5ｍｍ

おおよそシェーファーの万年筆は、胴軸側にカートリッジを入れ、そのまま軸を締めていくとカートリッジが装着されるしくみを取っています。

PARKER パーカー

写真のほかに「ミニタイプ（長さはおよそ37ｍｍ）」もあります。

□サイズ｜75mm×7ｍｍ
□インクの容量｜およそ1.3～1.4mL（推定）

お尻側（白い部分）には、予備インクを少しためる仕組みが備わっています。（インクリザーブ）
書いている最中に「あれ、インクが切れたかな？」と感じたとき、白い部分を軽く叩くと、インクが供給されて、しばらくは書き続けることができます。その間に新しいカートリッジを準備！

LAMY ラミー

□サイズ｜68mm×7ｍｍ
□インクの容量｜およそ1.2mL前後（推定）

「ラミーの万年筆」はカートリッジの挿入がシンプルです。カートリッジを軸の部分（右側/胴軸）にセットし、そのまま軸を取り付けていくだけ。

軸を締め終わったらカートリッジの挿し込みも完了です。独自規格だからこそ、ラミーだからこそ！の魅力ですね。

縮尺は正確ではありませんが、各社の挿し込み口をご覧ください。

メモ

• 「セーラー」「パイロット」挿し込み口が広い（内径5ｍｍ以上）
• 「プラチナ」ステンレスボールがあり、ひと目でわかりやすい。
• 「クロス」やや”欧州共通規格”みたいな雰囲気も。
• 「シェーファー」外径は大きく、挿し込む部分の穴は小さい。
• 「アウロラ」「パーカー」「ラミー」は挿し込み口の内径が近い。

アウロラとパーカーに互換性？

アウロラ「イプシロン万年筆」にパーカーのカートリッジを、パーカー「ジョッター」「IM」にはアウロラのカートリッジを挿し込んで現在たのしんでいます。

ほかのアウロラやパーカーの万年筆では試しておりません。

ものずき

あくまで自己責任になりますが･･･
ある程度互換性はあります。

まじめな
店員さん

･･･インク漏れや故障に
つながりかねませんよ。
みなさまは純正品を
ご利用くださいね。

欧州共通規格のカートリッジ

欧州共通規格のカートリッジについて、特徴を見ていきましょう。

ショートサイズとロングサイズ

欧州共通規格のカートリッジは、長さの異なるものがあります。

• ショートサイズ（写真手前）
• ロングサイズ（写真奥）

それぞれについて、簡単に項目をまとめました。

以下、「ショート」「ロング」と書きます。

挿し込み口のサイズ・形状

挿し込み口の先端にある飛び出た部分（半透明のところ）は、幅２ｍｍ余り。外径は4.3ｍｍ程度です。

では、カートリッジの挿し込み口を正面から見てみましょう。

口の中心に見える黒っぽい部分には穴が開いています。この穴の一番内側の直径はおよそ2.4mm前後です。

ただし、内径はメーカーによって微妙に異なる場合があります。大体2.3mmから2.6mmぐらいの範囲です。わずか0.1mmや0.2mmの違いですが、これが互換性に影響を与えます。

たとえば、0.5mmのシャープペンシルに0.3mmや0.7mmのシャープ芯を入れると使えないのと同じような感じです（すみません、ちょっと話がそれましたね）。

この穴には、小さな樹脂製（半透明）のボールがはまっていて、フタの役割を果たしています。

現在、カートリッジ内にはインクが入っているため、その部分が黒っぽく見えています。

万年筆にカートリッジを挿し込むと、ボールはインクの中に入っていきます。

これは、使い終えたカートリッジです。

写真ではわかりづらいかもしれませんが小さなボールがみえます。

「欧州共通規格」と「独自規格」の比較

ここでは、「欧州共通規格」と「独自規格」の挿し込み口をくらべていきます。

【欧州共通規格】
Ⓢエルバン（ショート）
Ⓛペリカン（ロング）

【独自規格】
➀セーラー②パイロット➂プラチナ

【欧州共通規格】
Ⓢエルバン（ショート）
Ⓛペリカン（ロング）

【独自規格】
➃アウロラ➄クロス➅シェーファー
➆パーカー➇ラミー

【欧州共通規格】
Ⓢエルバン（ショート）
Ⓛペリカン（ロング）

【独自規格】
➀セーラー②パイロット➂プラチナ

【欧州共通規格】
Ⓢエルバン（ショート）
Ⓛペリカン（ロング）

【独自規格】
➃アウロラ➄クロス➅シェーファー
➆パーカー➇ラミー

欧州共通規格と独自規格の違いやカートリッジの形状など、少しイメージがつかめてきましたか？

では、欧州共通規格を採用しているメーカーのカートリッジをいくつかご紹介しますね。

欧州共通規格「ショート」

OHTO オート「FCR-6」

• メーカー｜オート
• 商品名｜カートリッジインク「FCR-6」
• メーカー価格｜220円（税込）
• 入り数｜6本
• 色｜ブラック・ブルーブラックの2色
• 生産国｜ドイツ・オーストリア
• 規格｜共通規格
• 挿し込み口の内径｜標準的
• 備考｜幅広く互換性あり

手頃な価格で、多くの万年筆に適合しやすいカートリッジです。

とりあえず共通規格のカートリッジが欲しい場合はコレ！みたいな存在です。

以下は、実際に試したことがあるものを表にまとめたものです。

MIDORI ミドリ「ＭＤ万年筆用」

• メーカー｜デザインフィルミドリカンパニー（日本）
• 商品名｜ＭＤ万年筆用インクカートリッジ
• メーカー価格｜495円（税込）
• 入り数｜6本
• 色｜ブラック・ブルーブラックの2色
• 生産国｜オーストリア
• 規格｜共通規格
• 挿し込み口の内径｜標準的
• 備考｜幅広く互換性あり

DIAMINE ダイアミン

• メーカー｜ダイアミン（イギリス）
• 参考価格｜495円（税込）
• 入り数｜6本
• 色｜あまり国内に流通しておらず、正確な色数がつかめない
• 生産国｜イギリス
• 規格｜共通規格
• 挿し込み口の内径｜標準的
• 備考｜幅広く互換性あり

Kaweco カヴェコ

• メーカー｜カヴェコ
• メーカー価格｜605円（税込）
• 入り数｜6本
• 色｜全11色
• 生産国｜オーストリア
• 規格｜共通規格
• 挿し込み口の内径｜標準的
• 備考｜幅広く互換性あり

Schneider　シュナイダー

• メーカー｜シュナイダー
• 商品名｜インクカートリッジ
• メーカー価格｜550円（税込）
• 入り数｜6本
• 色｜全12色（うちパステル系8色）
• サイズ｜38.5ｍｍ
• インクの容量｜およそ0.85ｍL
• 生産国｜ドイツ
• 規格｜共通規格
• 挿し込み口の内径｜標準的
• 備考｜幅広く互換性あり

ブラック

バミューダブルー

「バミューダブルー」は、パッケージデザインの色より、ほんのり緑がかった印象です。

J.HERBIN エルバン「トラディショナル」

• メーカー｜エルバン
• 商品名｜トラディショナルインク
• メーカー価格｜715円（税込）
• 入り数｜6本
• 色｜全23色（ボトルインキは35色）
• 生産国｜フランス
• 規格｜共通規格
• 挿し込み口の内径｜標準的
• 備考｜幅広く互換性あり

Graf von Faber-Castell ファーバーカステル伯爵コレクション

• メーカー｜ファーバーカステル（ドイツ）
• 商品名｜ファーバーカステル伯爵コレクション
• メーカー価格｜825円（税込）
• 入り数｜6本
• 色｜全19色
• 生産国｜オーストリア
• 規格｜共通規格
• 挿し込み口の内径｜標準的
• 備考｜幅広く互換性あり

MONTBLANC モンブラン

• メーカー｜モンブラン（ドイツ）
• 商品名｜インクカートリッジ
• メーカー価格｜1,210円（税込）
• 入り数｜8本
• 色｜モンブランのホームページでは4色が掲載
  • ミステリーブラック
  • ミッドナイトブルー
  • アメジストパープル
  • ポップピンク
• 生産国｜オーストリア
• 規格｜共通規格
• 挿し込み口の内径｜標準的
• 備考｜幅広く互換性あり

8本のカートリッジを並べていますが、それぞれ異なるメーカーのものです。サイズや形状はほぼ統一されてますね。

欧州共通規格「ロング」

Pelikan ペリカン「4001」

• メーカー｜ペリカン
• 商品名｜4001 GTP-5
• メーカー価格｜770円（税込）
• 入り数｜5本
• 色｜全8色
• サイズ｜73ｍｍ
  ＊ショートサイズもあります（6本入）
• インクの容量｜およそ1.4ｍL
• 生産国｜ドイツ
• 規格｜共通規格
• 挿し込み口の内径｜標準的
• 備考｜幅広く互換性あり
  掲載しているのはロングサイズのため、万年筆の長さによって収まらないもの、軸の内側とこすれてしまうものがあります。
  【例】
  • カヴェコ「スポーツシリーズ」「カヴェココレクション」など
  • トラベラーズカンパニー「ブラス万年筆」
  • ミドリ「MD万年筆」、VIVApen「クラシック」

WATERMAN ウォーターマン

＊写真左は旧パッケージ。

• メーカー｜ウォーターマン（フランス）
• メーカー価格｜990円（税込）
• 入り数｜8本
• 色｜全3色
• サイズ｜73ｍｍ
• インクの容量｜およそ1.4ｍL
• 生産国｜フランス
  ＊ショートサイズもあります（6本入）
• 規格｜共通規格
• 挿し込み口の内径｜やや大きめ
• 備考｜多少互換性にバラツキがある
  掲載しているのはロングサイズのため、万年筆の長さによって収まらないもの、軸の内側とこすれてしまうものがあります。
  【例】
  • カヴェコ「スポーツシリーズ」「カヴェココレクション」など
  • トラベラーズカンパニー「ブラス万年筆」
  • ミドリ「MD万年筆」

ウォーターマンのカートリッジは、挿し込み口（内径）が若干大きい傾向です。

他メーカー（欧州共通規格）の万年筆に挿し込んだ際、ゆるく抜けやすいケースもあります。

以下は、実際に試したことがあるものを表にまとめたものです。

カートリッジの規格や互換性とは関係のない話ですが…

ショップによっては「旧パッケージ」で在庫されている場合があります。

旧パッケージの場合、在庫が長期間にわたっています。（インクが30～40％減っている）

俗に言われる、”インクが煮詰まった状態”です。

インクの流れに影響したり、書いた文字のにじみが大きくなったりします。

ショップサイトで、「※品番変更前・後商品の指定注文不可」や「旧パッケージと新パッケージの在庫が混在しており･･･」のような説明文が入っている場合は、少し注意が必要です。

JACQUES HERBIN ジャック・エルバン「エッセンシャルインク」

• ブランド｜ジャック・エルバン（フランス）
• 商品名｜エッセンシャルインク
• メーカー価格｜1,100円（税込）
• 入り数｜7本
• 色｜全10色
• サイズ｜74ｍｍ
• インクの容量｜およそ1.35ｍL
• 生産国｜フランス
• 規格｜共通規格
• 挿し込み口の内径｜標準的
• 備考｜幅広く互換性あり
  ロングサイズのため、万年筆の長さによって収まらないもの、軸の内側とこすれてしまうものがあります。
  【例】
  • カヴェコ「スポーツシリーズ」「カヴェココレクション」など
  • トラベラーズカンパニー「ブラス万年筆」
  • ミドリ「MD万年筆」

ONLINE オンライン「コンビカートリッジ」

ドイツ・オンラインの「コンビカートリッジ」。先ほどの「ペリカン」「ウォーターマン」とは少し異なる形状です。長さは5ｍｍほど短くなります。

• ブランド｜オンライン（ドイツ）
• 商品名｜コンビカートリッジ
• メーカー価格｜550円（税込）
• 入り数｜5本
• サイズ｜65ｍｍ
• インクの容量｜およそ1.2～1.3ｍL
• 生産国｜EU
• 規格｜共通規格とラミー規格
• 挿し込み口の内径｜標準的
• 備考｜幅広く互換性あり
  万年筆の長さによっては、収まらないものがあります。
  【例】
  • カヴェコ「スポーツシリーズ」「カヴェココレクション」など
  • トラベラーズカンパニー「ブラス万年筆」

「欧州共通規格」と「ラミー（独自規格）」
ふたつの挿し込み口を持ったユニークなカートリッジです。

例えば、無印良品「アルミ丸軸万年筆（欧州共通規格）」で使用する場合は、細い口のほうを挿し込みます。

ラミーの万年筆（写真はサファリ）で使用するときは、色のついた太い口のほうを挿し込みます。

実際に「コンビカートリッジ」を挿し込んで使用したことがある万年筆を表にまとめました。

共通規格/国際標準/ユニバーサル（中国系カートリッジ）

こちらは、中国メーカー・中国製造のカートリッジ。

ジンハオや日本出版販売「フォンテ」のカートリッジインクなどでも見られるタイプです。

赤丸でかこんだ部分（画像）のように「栓（二重三重にライン）」のようなものがあります。

長さは50～52ｍｍ、直径は6ｍｍ程度です。

このタイプのカートリッジは、挿し込み口の内径が2.6mmのものになります。

（同じような形状で3.4ｍｍというのもあるので注意）

これは一般的な欧州共通規格の内径/約2.4mmよりも少し大きめです。

そのため、欧米系メーカーの万年筆にこのカートリッジを挿し込むと、多少相性が悪い傾向もみられます。

具体的には、カチッとハマらなかったり、ゆるくて抜けやすかったりすることがあります。

適合する万年筆が見つかれば、手頃な価格でカートリッジを入手できるメリットもあります。

日本出版販売（Fonteカートリッジ）

• メーカー｜日本出版販売
• 商品名｜Fonteインクカートリッジ（ミックス）
• メーカー価格｜440円
• 入り数｜10色12本セット
• サイズ｜52ｍｍ
• 生産国｜中国
• 規格｜共通規格
• 挿し込み口の内径｜中国系2.6ｍｍ
• 備考｜互換性にバラツキが出やすい傾向

ものずき

カートリッジのいろいろな規格。
互換性、相性の良し悪しなど、奥が深いですね･･･
（まだまだわからないことばかりです）

まとめ

今回は、これから万年筆を使おうという方、使い始めて間もない方に向けて、カートリッジインクの規格やポイントについてお伝えしました。

最後におさらいをします。

独自規格

• その万年筆メーカー特有の形状・サイズでカートリッジインクがつくられている。
• 自社の規格に合わせてつくっているので、他のメーカーとの互換性はほとんどない。
• 独自規格メーカーの万年筆には、そのメーカーの純正カートリッジインクを選ぶ。

欧州共通規格

• ヨーロッパを中心に多くの万年筆メーカーが採用している規格。
• 共通規格を採用しているメーカー間では、一定の互換性がある。
• ただし、どれでも合うという訳ではない。（迷ったら、純正品！）

「欧州共通規格」間の互換性について、わかったことは本ブログでも発信していきますね。

以下は、いろいろなメーカーの規格をまとめたものです。

どの万年筆メーカーにどの規格が合うか、おおよその参考にしてください。

あくまで概略で、万年筆の品目によって異なる場合もあります。あらかじめご了承ください。

ものずき

【覚え方】
セー パイ プラ アウ
クロ シェー パー ラ
ソレイガイナラ
ヨーロッパ

ゲストさん

なるほど。
それじゃ〜
元素の覚え方は？笑

ものずき

水兵 セーラー パイロット
プラチナ それから 欧米か

〜インクの海に船を出せ！～

ものずき

インクの沼に、ずぶずぶずぶ･･･

ゲストさん

デタラメ･･･
反面教師にしとこ…

ものずき

では、ともに万年筆やインクを楽しんでいきましょう！

【今日の一曲】
♪『AMBITIOUS JAPAN!』
　　TOKIO

ものずき

リクエストで、もう一曲！
♪『宙船』中島みゆき
インクの誘惑には
もう流されないぞ！
僕の船･･･
ずぶずぶずぶ･･･

以上、ものずきでした。

最後までお読みくださり
ありがとうございます。